ホワイトニングは、加齢や遺伝、食生活などによって変色した歯を漂白剤で脱色して白くする方法です。
特にコーヒーやタバコを好んでたしなむ人は歯の変色が見られる傾向にあり、ホワイトニングされる方も増えています。
歯の表面の汚れを落とす「クリーニング」に比べ、歯の内側から漂白するので本来の歯以上の白さを実感できます。歯を削る必要もなく、とてもお手軽で人気のお治療です。
ホワイトニング
ホワイトニングとは
こんな方にオススメ
ホワイトニングをする方の特徴は、結婚式のときや卒業式、入社式等といった大切なイベントにあわせて歯も白くきれいにされることです。
経営者やビジネスマンが講演やプレゼンテーション等において、人前で話すのに備えてホワイトニングをする方もいらっしゃいます。
ホワイトニングをアンチエイジングとして捉える考え方があります。生まれたばかりの頃というのは誰もが白い歯です。それが年を重ねていくにしたがってだんだん黄色くなっていくことになります。それを元の白さに戻すことがアンチエイジングとしてのホワイトニングです。
口元を綺麗に、また歯を白くすることで肌を綺麗に見せる効果も期待できます。ホワイトニングに限らず、口の中をケアすること全般が若さを保つことに直結するので、歯科医療すべてがアンチエイジングと言えると思います。どんなに患者さま自身で歯をきれいにして一生懸命口腔ケアしたとしても、歯の着色というのは避けにくいです。不可能と言っていいかもしれません。
そこはプロの腕をうまく活用して白くすることをおすすめします。
起こる可能性のある副作用
ホワイトニングは安全性の高い施術法として知られていますが、副作用のリスクも伴います。ホワイトニングの副作用として最も大きなものは知覚過敏です。知覚過敏とは、冷たいものや熱いものを口に含んだとき、歯がしみる症状のことです。
ホワイトニングによる知覚過敏は必ず起きるものではありませんが、特にホームホワイトニングの場合、歯科医の指示を無視して勝手に回数や時間を増やしたりすると、知覚過敏の症状が出やすくなります。
特に日本人は歯のエナメル質が薄いため、副作用が生じやすい傾向にあるといわれています。通常は時間の経過とともに解消されますが、ひどい症状が出た場合は、ホワイトニングを一旦中止し、フッ素入りの歯磨き粉を使用して歯磨きを続けるとおおかた解消されます。
ほかには、まれに歯ぐきが痛むなどの症状があらわれることがありますが、こちらは知覚過敏ほど事例が報告されていません。
副作用のリスクを軽減するには、1日のホワイトニングの時間および回数の規定をしっかり守ることです。
特にホームホワイトニングの場合、より歯を白くしようとして、規定の回数以上にホワイトニングを行ったり、時間を大幅に延長するなど、自分なりにカスタマイズしてしまうと、副作用のリスクが高まってしまいます。逆に、回数や時間を短くしてしまうと、ホワイトニングの効果自体が薄れてしまうので、回数や時間は医師からの指示を忠実に守り、長すぎず、短すぎず行うことが大切です。
ホワイトニングの種類
オフィスホワイトニング
オフィスホワイトニングは、歯科医院で、専用の薬剤とレーザーを使用して歯を白くする方法です。ホームホワイトニングでも薬剤を使用しますが、オフィスホワイトニングでは濃度の高い薬剤を使用します。
ホームホワイトニングに比べて、短期間で効果が現れるというメリットがありますが、ホームホワイトニングよりも色が戻りやすいというデメリットもあります。
オフィスホワイトニングの流れ
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- 問診・診査
- 歯の色に関する悩みや希望をお聞きします。 次に、口の中全体の診査を行います。虫歯や歯周病などがある場合は、ホワイトニングの前に治療を行います。知覚過敏がある歯には、ホワイトニングにより痛みが出ることがあるため、施術ができない場合もあります。
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- カウンセリング
- 診査終了後、歯の変色の原因や患者さまの希望などを考慮し、オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、あるいは両者を併用するか相談します。
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- クリーニング
- 専用の器具を使用して、歯の表面の着色・汚れを除去します。この時点で写真撮影を行い、現在の色を記録します。
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- 薬剤の塗布
- 歯肉を保護して、歯に薬剤を塗布します。
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- 光やレーザーを当てる
- 特殊な光やレーザーを照射します。オフィスホワイトニングは、薬剤を使用し、色素を分解して歯を白くしますが、薬剤を塗布しただけでは色素の分解に時間がかかります。 光やレーザーを照射することによって、短時間で歯を白くすることが可能になります。
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- 薬剤を除去
- 塗布した薬剤を綺麗に洗い流します。 希望の色調により、4‐6を数回繰り返します。
ホームホワイトニング
その名の通り、自宅で行うホワイトニングのことです。まず、歯型をとり、患者さまの歯並びに合ったマウストレーを作製します。ホワイトニング用の薬剤をマウストレーに入れた後、これを装着することで、ホワイトニング効果を得ます。
通常、1日数時間、2~4週間の間、マウストレーを装着します。オフィスホワイトニングに比べ、効果が出るまでに時間がかかりますが、ホームホワイトニングでは、低濃度の薬剤を使用するためより安全であり、効果が長く持続するというメリットがあります。
ホームホワイトニングの流れ
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- 問診・診査
- 歯の色に関する悩みや希望をお聞きします。 次に、口の中全体の診査を行います。虫歯や歯周病などがある場合は、ホワイトニングの前に治療を行います。知覚過敏がある歯には、ホワイトニングにより痛みが出ることがあるため、施術ができない場合もあります。
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- カウンセリング
- 診査終了後、歯の変色の原因や患者さまの希望などを考慮し、オフィスホワイトニング、ホームホワイトニング、あるいは両者を併用するか相談します。
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- クリーニング
- 専用の器具を使用して、歯の表面の着色・汚れを除去します。この時点で写真撮影を行い、現在の色を記録します。
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- 型取り
- マウストレーを作製するため、歯の型取りを行います。(マウストレーの受け渡しは後日になります)
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- ホームホワイトニングの説明
- マウストレーが完成したら、具体的なホワイトニングの方法・注意点について説明を受けます。その日から2~4週間自宅でホワイトニングをご自身で行います。
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- 変化をチェック
- 治療前後の変化を撮影した撮影した写真をもとにチェックします。
デュアルホワイトニング
オフィスホワイトニングとホームホワイトニングを併用することによって、短期間で歯を白くし、効果を持続させることが可能になります。オフィスホワイトニングでは短期間で歯が白くなりますが、しばらくすると色が後戻りしやすい傾向があります。ホームホワイトニングを併用することで後戻りにくくなり、白い歯を長期的に維持することが可能になります。
ホームホワイトニングで
よくあるご質問
- 一度の通院で思い通りの白い歯になれますか?
オフィスホワイトニングは、専用の薬剤とライトを使って歯科医院で行うホワイトニングです。一度の施術で白さの実感が期待できます。
- 1回ホワイトニングをすると、どのくらいの期間効果が持続しますか?
ホワイトニング効果が持続する期間には、個人差があります。半年から1年で色の後戻りがありますが、通常、ホワイトニング前の色まで戻ることはありません。オフィスホワイトニングよりもホームホワイトニングの方が、後戻りは少ないと言われています。 後戻りした場合でも、再度ホワイトニングを行うことで、歯を白くすることができます。また、着色の原因となるような色の濃い飲食物の摂取や喫煙により、歯の表面に色素が沈着しますので、着色の原因となることは控えた方がよいでしょう。
- 施術を受けるにあたっての注意点はありますか?
オフィスホワイトニングをお考えの方は、以下の2点はあらかじめ知っておきましょう。
しみることがある
個人差はありますが、オフィスホワイトニングをした後に知覚過敏のような「歯がしみる症状」 が出ることがあります。通常は数日でおさまりますので、ご安心ください。
すぐに施術を受けられないことがある
虫歯や歯周病にかかっている場合や歯石が多い場合などは、オフィスホワイトニングをする前に、虫歯・歯周病の治療や歯石のクリーニングが必要になります。そのため、すぐに施術を受けられないことがあります。
ホームホワイトニングをお考えの方は毎日装着しなかったり、決められた装着時間を守らなかったりすると、期待した白さにならないことがあります。
- ホワイトニングができない人、できない歯はありますか?
ホワイトニングを避けた方が良い方
●白い詰め物が多い方は、自分の歯との色の差が目立つようになってしまうことがあります。その部分を詰め直す場合は時間が余計にかかる可能性があります。
●人工の歯の方を白くする事はホワイトニングでは困難です。 ホワイトニングを行う際は自分の歯であることが前提ですので、入れ歯、差し歯などの人工の歯を白くすることはできません。
●歯にヒビがある方 ホワイトニング剤の強い刺激がヒビから入り、歯がダメージを受ける可能性がありますので、避けるようにして下さい。
●変色の強い方(抗生物質の影響) 抗生物質の影響で歯の変色が強い方は、ホワイトニングの作用が出にくいと言われています。
●歯の神経を抜いてしまった方、死んでしまっている方 ホワイトニングは、神経が生きている歯に対して行う方法です。神経を抜いてしまった方や死んでしまっている方の場合はできません。
ホワイトニングを行ってはいけない方
●無カタラーゼ症の方 ホワイトニング剤に含まれる過酸化水素を分解する酵素がない、無カタラーゼ症の方がいらっしゃいます。万が一体内に取り込まれると、分解されずに残留してしまい、進行性口腔壊死などの重い病気になる可能性がありますので、絶対に行ってはいけません。
●妊娠中、授乳中の方 妊娠中や授乳中の方は避けていただいたほうがよいでしょう。